売り方は類人猿が知っている
著者 | ルディー 和子 |
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監修 | |
出版 | 日本経済出版社刊 |
価格 |
概要
不況でモノが売れない、だからといって、低価格にしても、消費者は本当の意味では喜んでいない。不確実な時代に、消費者が欲しいのは安心感だ。ユニクロやマクドナルドが売れるのは、安いからだけでなく、売り手側の自信が消費者に安心感を与えるからだ。いまのような不安定な社会では、消費者は強いリーダーシップを感じさせる売り手企業やブランドを好む傾向がある・・と著者は主張している。
その主張を裏付けるために、90年代から注目されている神経経済学での実験や、進化心理学での研究成果が、興味深いエピソードとともに紹介される。数十万年から数百万年という太古の昔にさかのぼって、私たちの祖先がしたことや学んだこと、環境の変化に適応してきた心の仕組みを知れば、現代の消費者たちの不可思議な行動が、理解できたような気になってくるから不思議だ。普通なら難解な「消費学」だが、ユーモアあふれる語り口のために、楽しく面白く読むことができる。不況下の消費者にどう対応するかもわかってくる。